長崎県というとどことなく異国情緒が漂うハイカラなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
ヨーロッパ風の景色を楽しめる施設や各地にきれいな教会がありますが、温泉というイメージはあまりありませんよね。
しかし、長崎県の下側と言いますか地図で見るとぴょこっと伸びているようにも見える小浜や島原などの場所には、温泉地があります。
特に雲仙という場所は、温泉街の中で「地獄めぐり」ができるほど雄大で、湧き出す温泉も白濁した「硫黄泉」です。
▶参考情報:「雲仙地獄めぐり」についてはこちらの情報も参考にご覧下さい。
そんな長崎県の中にある温泉地の1つ、「雲仙温泉エリア」にあるおすすめの日帰り温泉施設を今回はご紹介。
その名は、「雲仙よか湯」です。
(※ちなみに「よか」というのは九州地方の方言で「良い」という意味があります。)
「独特の香りが漂う白濁した硫黄泉とは?」
「お風呂はどんな感じ?」
「えっ?「雲仙よか湯」は宿泊もできる?」
「そもそも「雲仙よか湯」の周辺には、どんなものがあるの?」
気になる点が盛りだくさん!
実際に訪れた人の感想や評判など口コミが気になりますよね。
今回はそんな気になる点を、実際に「雲仙よか湯」に行ってきた温泉シニアマイスターの小井 明日香がご紹介します。
「もういいよ」と言うときに「もうよか」と使うこともあり、ニュアンス次第では時々ネガティブな意味にも使われる事もありますが、「雲仙よか湯」の「よか」は「良い」を通り越して「超良い」と言っても過言ではありません。
温泉マニア必見の温泉ミステリーも含めて、これからたっぷりとご紹介させていただきます。
今度の温泉は、じっくり入浴してよか湯やったってみんなに言おう!(笑)
▼【関連情報】長崎「雲仙温泉」温泉旅館の宿泊予約は、以下でお得な料金をチェックしてみてください。
【超おすすめ!】長崎「雲仙温泉」おすすめ温泉旅館のお得な宿泊プランはこちら(「ゆこゆこ」で見る)
【とにかくお得に泊まりたい方】長崎「雲仙温泉」おすすめ温泉旅館のお得な宿泊プランはこちら(「じゃらん」で見る)
この記事の目次
1,「雲仙よか湯」ってどんな所?
※写真は、「雲仙よか湯」の外観。
まず最初に、「雲仙よか湯」がどんな所なのか?について簡単にご説明しておきます。
雲仙のバス乗り場から小浜温泉方面へ向かう道の途中に「雲仙よか湯」があります。
周辺にもいくつか立ち寄り湯がありますので、雲仙温泉エリアであることがわかります。また、観光案内所の立ち寄り湯紹介の中にも入っていますので、場所はわかりやすいです。
パッと見はややこじんまりとしている感じもありますが、よく見るとそこそこの大きさで入口には顔出しパネルもあります。
受付は懐かしい雰囲気が漂っており、昔の旅館と言った感じです。
館内に入ると、中には売店や休憩所などもあり、ホッとできそうな畳敷きの場所もあります。
※写真は、「雲仙よか湯」の館内の様子。
温泉は地下にあり、階段を降りて向かいます。
入口ののれんをくぐると、脱衣所があり一昔前の鍵付きロッカーに荷物を預けます。
洗面台や鏡も昭和感があり、小さい頃に見たことがある錯覚に陥ります。準備が終わればいよいよ温泉とのご対面です。
昭和感のある脱衣所って、平成生まれの人でも懐かしさを感じることがあるそうです。ある意味現代人の心の故郷なのかもしれません。
それでは、次は温泉のお風呂レポートです。
2,「雲仙よか湯」お風呂レポート
※写真は、露天風呂の様子。
それでは次に「雲仙よか湯」のお風呂についてご紹介していきます。
脱衣所からの扉を開けると、まず内湯が目に飛び込みます。
※写真は「内湯」の様子。
白濁したお湯が湯船に満たされています。ガランもありシンプルな造りです。
内湯付近まで進むと、露天風呂が2つあるのがわかります。
湯船に浸かる前には、まず体を洗います。
嬉しいことにシャワーも温泉です。
備え付けのシャンプーや石鹸は好みが分かれますが、温泉シャワーというだけで十分ではないかと個人的に思います。(笑)
体を洗い湯船に浸かると、独特の香りがあります。
油のような匂いで、慣れていない人はどこかから油がもれているのではないかと驚きます。非火山性のものに多いのですが、近くに地獄がある火山性のものとしては珍しいです。
入浴感自体は、硫黄成分が含まれているもののガツンとくる重さはなく逆に軽さがあります。
ピリッとした酸性温泉独特の肌触りもあります。
露天風呂は2つあり手前の方がやや熱めで奥の方が適温でした。
※写真は、「露天風呂」の様子。
温度は違いますが、どちらも白濁しており温度が高い方は酸性感があまりなく逆にポカポカ感が残りました。
一番入浴しやすかったのは内湯ですが、露天風呂の森の中のような雰囲気も良かったです。
以下では、「雲仙よか湯」のお風呂の様子の動画をyoutubeで見つけましたので、参考にご覧ください。
3,温泉ミステリー
ここで、温泉マニア向けの「雲仙よか湯」の温泉ミステリーのお話をさせてください。(笑)
※写真は、「雲仙地獄」の様子。
雲仙地獄を歩いていると、雲仙温泉の源泉のような場所もありましたが、高温なので触ってはいけません。
でも、地獄が近くにあると言うことで、こんなミステリーもあります。
内容はマニア向けですが、最近ではマニア顔負けの知識を持つ人もいます。(いや、それって十分マニアだと思いますが・・・笑)
と言うわけで、「雲仙よか湯」のミステリーです。
(1)1つ目の謎は「源泉温度の謎」
「雲仙よか湯」の源泉温度は、52.4℃です。
これは、「温泉成分分析書」上の数値ですが、地獄が近くにあるにしては結構低めです。
実際、雲仙地獄には温泉たまごを販売している場所もあり、蒸気が勢いよく噴き出しています。さらに地獄めぐり内にある蒸気が出ている場所や、地面からお湯が噴き出している場所は、かなりのアチチで手をかざしただけでその温度が高温であるとわかります。
「雲仙よか湯」の源泉は、さすがにそのままでは無理ですが50℃以下になれば入浴できて不思議はありません。
ということは、近くに地下水があり源泉と混ざって温度が下がったと考えられますし、露天風呂には地下水らしきものが流れていました。
そうすると、今度は成分量のミステリーが起こります。
(2)2つ目の謎は「成分量の謎」
「雲仙よか湯」の周辺にある白濁系の源泉は、単純温泉のものが多いです。
▶参考情報:「単純温泉」の泉質について詳しくはこちら
しかし、「雲仙よか湯」は、「含鉄ーカルシウムー硫酸塩泉」です。
泉質名がつくということは、温泉水1kg中の温泉成分が1g以上ということになります。
単純温泉は1g以下です。
これが「雲仙よか湯」の下に単純温泉があるなら、普通に地下水で薄められたと納得できますが、上の方にも単純温泉があります。
一体、温泉と地下水はどのような流れになっているのでしょうか。
「雲仙よか湯」を含む雲仙温泉のミステリーです。
4,「雲仙よか湯」泉質情報
●源泉名:雲仙よか湯
●泉質特徴:含鉄ーカルシウムー硫酸塩泉
(低張性・酸性・高温泉)
●温度:52.4℃(気温25℃)
●ph値:2.3
●湯出量:85.8L/min
●効能:
・適応症:アトピー性皮膚炎・尋常乾癬・耐糖異常(糖尿病)・表皮化膿症・きりきず・抹消神経障害・冷え性・うつ状態・皮膚乾燥症
・禁忌症:病気の活動期(熱のあるときなど)活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性病気の急性増悪期・皮膚粘膜の過敏な人・高齢者の皮膚乾燥症。
●特徴:
カルシウムが強い泉質のせいか、あまり酸性泉独特のピリピリ感は感じられませんでした。カルシウムと混ざった硫黄の香りが独特でした。源泉かけ流しという事もあり、お湯が新鮮で気持ちが良かったです。硫黄成分があるものの、独特の軽さがありました。
●源泉かけ流し:
「雲仙よか湯」は源泉かけ流しです。
排水の方法がオーバーフロータイプではありませんので、源泉かけ流しではないかと勘違いする人もいますが、常に新しい源泉が投入されています。
5,「雲仙よか湯」の評判・口コミ
それでは、ここで実際に「雲仙よか湯」に行かれたその他の人たちの評判や感想について口コミもチェックしておきます。
白濁した温泉が満ちた3種類の湯船とゆっくりできる雰囲気は、「雲仙よか湯」の魅力ですが、実際に訪問した皆様はどんな感想をお持ちになったのでしょうか。
皆様の評判・口コミを集めてみました。
食事の下準備を済まして温泉♨
雲仙よか湯
いい湯でした♨ pic.twitter.com/GOIRDE0l3n— さむらいだー (@samrider1120) 2017年4月30日
雲仙よか湯で立寄り♨️どうしようかなと思って前まで行ったら分析書が貼ってあって、宿とは違う源泉なので入ってみた。元は雲仙荘という宿だったみたいで、ここの湯は玉子臭よりも微鉱油臭が印象的、舐めるとレモンのように酸っぱく指の傷にめっちゃ沁みた💦露天もあってなかなかのよか湯でした😊 pic.twitter.com/nAJylGah3j
— karna (@yskarys) 2019年4月10日
おはよか湯〜(・∀・)ノ ちょい緑💚 臭いが国見温泉だなぁ〜w (@ 雲仙よか湯) https://t.co/cL8g7jTCp0 pic.twitter.com/UcBYulUcmZ
— ガエ (@gaebolg1) 2016年8月28日
雲仙まっしろけ。よか湯さん、茶褐色でなめらかなとてもいいお湯でした(^_^) pic.twitter.com/tKq1mf3DaE
— kojitters (@kojitters) 2017年2月20日
「うがいをすると口臭が消えます」と書いてあったので、うがいすると歯がギシギシになってしまいました。それほど強烈でいい湯です。
@雲仙温泉 雲仙よか湯 pic.twitter.com/PPPUDsSAiI— 温泉おたく (@OnsenOtaku) 2015年12月3日
「雲仙よか湯」は、私が訪問した時にはやや透明感のある濁り湯でした。
緑や茶褐色にも変化するなんて驚きです。実は硫黄成分の含まれている温泉は、白以外にも透明だったり青みがかったりということもあります。
硫黄泉に行く機会があれば、洗面器に汲んでみたりして確認してみるのも面白いですよ。
周囲から変な目で見られることありますので、その際はご注意下さい。(笑)
「雲仙よか湯」のもう1つ面白かったのが、その香りです。
本当に独特ですので驚きます。
皆様の評判・口コミを訪問の際の参考にしていただけたら幸いです。
6,「雲仙よか湯」基本情報
・名前:雲仙よか湯
・英語表記:unzenyokayu
・郵便番号:854-0621
・住所:長崎市雲仙市小浜町雲仙380
・電話番号:0957-73-3482
・FAX:0957-73-2114
・休館日:なし
・営業時間:9:00~21:00
・入浴料:※2019年6月現在
大浴場:大人400円、子供200円
家族湯:
1時間1部屋貸し切り料/
最初の1時間 1000円
以降1時間あたり 大人500円 子供200円
・備え付けの備品:洗面器・石鹸・シャンプー
・その他の備品:
シャンプー・リンス・ボディソープ各80円
シャワーキャップ20円
フェイスタオル150円
ヒゲソリ40円
ヘヤーブラシ50円
他各種飲み物やおやつなどあり(有料)
・お風呂情報:内湯・露天風呂2(男女同数)・家族風呂2
・駐車場:あり50台
・その他お役立ち情報:
お弁当などを持ち込みも可ですので、温泉でのんびりしつつ休憩室でご飯ということもできます。また、小さなお子様が遊べる遊具や椅子に座って本を読める場所もありますので、1日のんびりしたい方にもおすすめです。近くに住んでいる方や行く機会が多い方は会員になっておくとお得です。
・公式サイト:http://www.unzen-yokayu.co.jp/
7,「雲仙よか湯」アクセス
(1)バス
長崎ターミナルまたは諫早ターミナルより雲仙行き島鉄バスに乗車し、雲仙バス営業所で下車後、小浜方面へ道なりに大通りを歩く。
(2)車
長崎自動車道「諫早IC」より国道57号線を雲仙方面へ、道沿いから「雲仙よか湯」の入口看板が見えるのでわかりやすい。
8,「雲仙よか湯」宿泊情報
続いて、「雲仙よか湯」は日帰り温泉施設なのですが、実はここ「コンドミニアム雲仙よか湯」といって宿泊もできる施設があるので、こちらも少しご紹介しておきます。
宿泊室は「A」と「B」があり、ベットタイプのものになりますが、ミニキッチンもついていますので自炊することが可能です。
長期滞在に対応していますので、じっくりと湯治したい方におすすめです。
また、宿泊施設はコンドミニアムというタイプですので、食事付きプランはありません。
周辺には通常のホテルや旅館もありますので、ちょっと贅沢または普通の宿泊はそちらで行い、じっくり湯治したい場合は「雲仙よか湯」を利用してみるのはいかがでしょうか。
雰囲気が昭和ですので、懐かしさと温泉の気持ちよさで癒やされること間違いなしです。
(1)コンドミニアムの宿泊料について
・デイリー(1日間):6,000円(税別)
・ウィークリー(7日間):34,000円(税別)
・マンスリー(30日間)88,000円(税別)
※一人での宿泊は、「一泊3,500円(税別)」で利用可能。
▶参考情報:「コンドミニアム」について詳しくは公式サイトをご覧下さい。
9,「日本の秘湯」ゆ~ナビ編集部コメント
地獄めぐりと言う言葉を聞くと、大分県別府市の地獄めぐりを思い出す人も多いのではないでしょうか。
実際の所、別府の地獄めぐりはきちんと整備されていますので、観光客にはおすすめのスポットであるといえます。
しかし、火山を起源とする温泉、または非火山性の温泉でも源泉温度が高く蒸気や熱いお湯が噴き出していればそれは地獄と言って間違いではありません。(非火山性のものについては地獄ではないという考え方もあります)
そんな地獄めぐりがいきなり温泉街の中に現れたら、正直ビックリします。通常の地獄と呼ばれる場所は、山の中だったりすることが多いです。
「雲仙よか湯」は、そんな雲仙地獄から少し下った場所にあります。
静かなたたずまいですが、そこに湧く温泉は本当に個性的で、どことなく力強さもありました。白濁した硫黄泉はあちらこちらで見かけますが、同じ硫黄泉でもこんなに個性が違うのかと改めて実感しました。
また、温泉から出た後の休憩場の雰囲気はのんびりとしており、売店で販売されているレア商品を思わず衝動買いしてしまいたくなってしまいました。
日常的でありながら、どこか非日常的な部分もあるというのが「雲仙よか湯」の魅力ではないかと私は思います。
車でも山に向かうような道を走らなければいけませんし、電車とバスを乗り継いでいくのは正直大変です。しかし、そうしてたどり着いた雲仙温泉や「雲仙よか湯」は、ワクワク感と癒やしに満ちた温泉地であることに間違いありません。
たまには日常を離れて、地獄と白濁温泉の世界を堪能してみませんか。
10,【関連情報】「雲仙よか湯」を含む雲仙温泉の立ち寄り湯情報
ここでは、関連情報として今回ご紹介した「雲仙よか湯」を含め「雲仙温泉」の立ち寄り湯の情報をまとめておきますので、ご参考にしてください。
雲仙温泉の一番の見どころと言えば「雲仙地獄めぐり」です。無料で体験でき、大地の力の一部を体験することができます。また、雲仙温泉自体にいくつものホテルや旅館の立ち寄り湯や共同浴場(公衆浴場)もあり、温泉巡りを楽しめます。
「雲仙温泉」の主な立ち寄り湯は以下の通りです。
●「雲仙東洋館」
●「雲仙いわき旅館」
●「ゆやど雲仙新湯」
●「東園」
●「雲仙 福田屋」
●「雲仙観光ホテル」
●「雲仙宮崎旅館」
●「雲仙スカイホテル」
●「有明ホテル」
●「雲仙湯元ホテル」
●「旅館 半水廬」
●「国民宿舎 青雲荘」
●「丸登屋」
●「雲仙新湯温泉館」
●「湯の里共同浴場」
●「小地獄温泉館」
●「雲仙よか湯」
●「かせやカフェ」
こちらの詳しい情報は、観光案内所でいただくことができます。
日によって休みの場合がありますので、現地で確認してから訪問すると良いです。
私のおすすめは「小地獄温泉館」と「雲仙新湯温泉館」です。
「小地獄温泉館」は、青々とした畳み部屋で湯上がりにのんびりできますし、「雲仙新湯温泉館」はどこにあるのかわからないくらい裏手にあり、100円で入浴できる安さだけではなく演歌が流れていたり鍵付きのロッカーがあったりと意外性にびっくりしました。
雲仙温泉の泉質は基本的に白濁した硫黄泉ですが、施設によって濃さが変わってくることもありますので、違いを楽しむのも面白いですよ。
記事作成日:2019年6月30日
記事作成者:「日本の秘湯」ゆーナビ編集部 小井 明日香