九州地方の宮崎県は、芸能人が県知事になったりしたこともあり、全国的にも有名になった時期があります。
南国のイメージがあり、神が住む場所と呼ばれている高千穂は1度は行ってみる価値があると言う人もいます。
そんな宮崎県には、九州地方の中でも珍しい「含ヨウ素泉」があることが温泉マニアの中では有名になっています。
そこで今回の温泉は、「含ヨウ素泉」を体感できる「新富温泉健康センター サン・ルピナス」をご紹介したいと思います。
●温泉施設に漂う香りが病院を連想させる?
●含ヨウ素泉以上に重さを感じる温泉とは?
●足湯も楽しめる?
●「新富温泉健康センター サン・ルピナス」内ではどんなことができる?
もちろん、含ヨウ素泉という珍しい泉質ですから、温泉の謎もあります。
これから温泉好きな方はもちろん、温泉マニアの皆様も楽しめる内容をたっぷりとご紹介させていただきます。
今度の温泉は、「どげんかしても行ってみたか~!(九州弁でどうにかしても行ってみたい!という意味)」という場所かもしれませんよ。笑
▼【関連情報】「新富温泉健康センター サン・ルピナス」のご紹介にあたって、以下の公式サイトもご覧下さい。
・「新富温泉健康センター サン・ルピナス」の公式サイトはこちらをご覧下さい。
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この記事の目次
1,珍しいのはわかったけど「含ヨウ素泉」とは?最初にその意味を解説!
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出典:Instagram/tomo.s0629さん
「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の施設をご紹介していくにあたり、最大の魅力のひとつでもある「含ヨウ素泉」について、どんな泉質かわからない方のために、最初に「含ヨウ素泉とはどんな泉質か?」を解説しておきます。
「含ヨウ素泉」とは、療養泉という泉質の中の1つで、「温泉水1kg中に10mg以上のヨウ化物イオンが含まれている」ときにその名前がつきます。
ヨウ素自体は、殺菌効果が高いのでうがい薬などに使われる事もあります。つまり、「新富温泉健康センターサン・ルピナス」で感じたヨードチンキのような匂いは、ヨウ素そのものの匂いだったということになります。
しかし、「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の場合は、「含ヨウ素泉」の成分以外に「塩化物泉」の成分がかなり濃く入っています。
▶参考情報:「塩化物泉」の泉質について詳しくはこちら
そのため、入浴後にポカポカ感が残ります。
「単純泉」に考えて、殺菌されて体が温まるのですから至れり尽くせりの泉質ですね。
「含ヨウ素泉」は地中にヨウ素が含まれていないとできませんが、逆に言えば含まれている場所であれば「塩化物泉」だけではなく「炭酸水素塩泉」や「硫酸塩泉」など他の泉質と組み合わさることもあります。
日本全国に「含ヨウ素泉」は少ないですが、見つけた時には「含ヨウ素泉」以外の泉質が何かを調べて見るのも楽しいかもしれませんよ。
2,「新富温泉健康センターサン・ルピナス」ご紹介
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それでは、「新富温泉健康センターサン・ルピナス」ってどんな所か?についてご紹介していきます。
最近では、九州の各地を巡る特急列車が増えてきましたが、温泉施設がある駅は普通電車ではないと行けないと言う場所も多いです。場合によっては、1時間に1本など可愛い方で、1日に数本というとんでもない場所にあることもあります。
「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の最寄り駅である「JR日向新富駅」は、電車の本数はそこそこあるもののローカル駅の雰囲気があり近くの公園にはなぜか零戦が置かれています。
駅から大通りを経由し、住宅街のような場所に現れるのが「新富温泉健康センターサン・ルピナス」です。
建物自体は玄関に提灯がぶら下がっており、温泉をPRしているのぼりも立っています。全体的に一般的な銭湯をやや大きくしたような造りですが、駐車場にある白い建物には「サンルピナス」の名前があり目立ちます。
入口の扉から受付へ行く際、まず感じるのが病院のような匂いです。
受付を済ませた後は、脱衣所へ向かいます。脱衣所自体は、結構広めでコイン式のロッカーや脱衣棚や洗面台などもあり、セキュリティも問題ありません。
脱衣所に来ると、入口で感じた匂いがさらに強くなります。
珍しい泉質ですから、まず気になるのが匂いですよね。
入浴するとどうなるのでしょうか。
次は、「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の入浴レポートです。
3,「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の温泉入浴レポート
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次に、「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の温泉につかったレポートをご紹介していきます。
お風呂へは短い階段があります。降りた先には、どこか懐かしい雰囲気が漂うガランが並びます。
かなり広めの内湯やサウナが見えますが、まず最初に体を洗います体を洗っていると、熱い方が温泉であることがわかります。
(1)内湯
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一通り汚れを落としたら、内湯へ入浴します。
やや緑がかった色をしている温泉です。源泉温度自体が高いですので、結構なアチチ湯でした。
入浴してまず感じるのがその重さです。「含ヨウ素泉」の特長とも言えるヨードチンキのような匂いも漂ってきます。なれないうちは、すぐに湯船から出てしまうほどの重さと匂いでした。
水風呂と大きめで段差のある内湯とぬるめの内湯がくっついており、奥の方には、ややぬるめの内湯もあります。
(2)露天風呂
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次は露天風呂へ。
露天風呂に出ると、横に長い湯船があります。こちらはやや内湯よりも色が薄めですが、場所によっては違う色に見えてくることもありました。
ややぬるめの温泉ですので、ゆったりと入浴することができました。ぬるめとは言え、元々の温泉が濃いため体がすぐにポカポカとしてきました。
ちょうど私が入浴したときは雨が降っていましたので、露天風呂の屋根のない部分で雨に打たれながら入浴するのも心地よかったです。
地元の方々も入浴しており、日常会話が飛び交っていました。
濃い目の温泉に入浴すると、休憩したくなることありませんか。
ちょっとした銭湯のような雰囲気の「新富温泉健康センターサン・ルピナス」ですが、施設内にはどんなものがあるのでしょうか。
次は「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の施設情報です。
4,「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の施設情報
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続いては、お風呂の後は「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の施設紹介をしておきます。
「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の外側の玄関近くには、足湯があります。
到着後、一息入れたいときに入浴することができますが、残念ながら雨の日には入浴できません。雨の日にわざわざ足湯に浸かりたいという人は温泉マニアくらいでしょうから、さっさと入場しすることをおすすめします。
館内には温泉があるのはもちろんですが、入浴後に一息入れられる畳敷きの休憩所があります。
ちょっとした宴会場としても使用することが可能です。
また、新富町の新鮮な野菜を販売している直売所もあり、源泉を使った化粧水などもあります。
もちろん、それ以外の商品も取り扱っていますので、温泉を堪能した後に物色してみるのも面白いかもしれませんよ。
5,泉質情報
●源泉名:新富町大字日置字5丁目地5317番地
●泉質特徴:含ヨウ素・ナトリウム・カルシウムー塩化物泉(高張性・中性・高温泉)
●温度:56.7℃(気温27℃)
●ph値:6.6
●湯出量:250L/分
●効能:
・神経痛・関節痛・筋肉痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・打ち身・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え性・病後回復期・健康増進・抹消循環障害・病後回復期・疲労回復・きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
●禁忌症:
・急性疾患(特に熱のある場合)・活動性の結核・進行した悪性腫瘍・重い心臓病・呼吸不全・腎不全・出血性疾患・高度の貧血・その他一般に病勢進行中の疾患
●特徴:建物煮入り受付に行ったとたんに感じるほど、ヨードチンキの匂いが漂っています。それだけ新鮮な含ヨウ素泉であるとも言えます。
6,「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の評判・口コミ
温泉が多い九州地方でも珍しい「含ヨウ素泉」がかけ流されている「新富温泉健康センターサン・ルピナス」ですが、実際に訪問した皆様はどのような感想をお持ちになったのでしょうか。
ここでは、実際に訪れた筆者以外の皆様の「評判・口コミ」を集めてみました。
九州八十八湯めぐり第八十六番目は宮崎の新富町温泉サンルピナス
ラジウム温泉だからなのか今まで入った事の無い湯だった!
褐色でちょっと塩味のぬるめの湯
気持ちよくてダラダラ入ってた♨️ pic.twitter.com/w1jabAkXtE— mello (@aikashibari) May 2, 2019
極上ラジウム温泉✨
チャラついてナイ感じが最高😄#サンルピナス pic.twitter.com/KQOJQaqUUH— 福元 英典 (@jJEN8ZyvskNSiDB) July 9, 2017
新富町サンルピナス。黄色味がかった含ヨウ素強食塩泉掛け流し。P100台以上ありそうな大きな施設。ヨウ素の香り強い!41,40,39℃くらいの源泉、露天、サウナ水風呂あり。石鹸シャンプーあり。10:00-500円。素晴らしい! pic.twitter.com/cdYmmRk3bf
— たらたら (@nosennyuu) May 12, 2019
車中泊旅 2日目
あてもなく九州ぶらぶら旅温泉でも入るかな
【しんとみ温泉サンルピナス】入浴料500円
海辺にあるから海水っぽいのかな?#車中泊 pic.twitter.com/oUrj1DskuM— hiro_LC (@hiro_LC) May 2, 2019
地元感たっぷりの雰囲気。
泉質は福岡近辺では味わったことがない。
黄色かかっていて、ラジウム泉というらしい。
真夏に入っても暑苦しく感じず、さっぱりしたお湯だった。#サンルピナス pic.twitter.com/qGpyxkHawU— maigo (@kathisakoh) July 24, 2018
意外や意外、含ヨウ素泉よりも含ラドンの方が印象的だったという人が多いようです。海水かどうかなんて、マニア的な考え方をされている人もいらっしゃるようです。
そう言えば、この記事を書いている私が訪問した際も、ラドンが入っていることを自慢されていたおばあちゃんがいました。
ラドン含有量がわかりませんが、泉質名がついていませんのでおそらく温泉規定成分が含まれているのではないかと想像できます。数字がややこしいのでこちらでは説明は省きますが、貴重な温泉であることには変わりありません。
宮崎県に訪問される際には、是非お立ち寄りしてみてはいかがでしょうか。
7,「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の謎について
温泉があるところには必ず謎があります。
今回の「含ヨウ素泉」は、そもそもが謎に包まれている泉質でもあります。
ヨウ素自体は水に溶けないのですが、ヨウ化カリウムの水溶液には溶けるというよくわからない性質を持っています。温泉自体は元々が水ですから、含ヨウ素泉自体が謎という意味も分かるのではないでしょうか。
そうなると、そのヨウ化カリウムはどこからでてきたのでしょうか。
「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の正式な泉質は「含ヨウ素ーナトリウム・カルシウムー塩化物泉」です。
温泉の濃さから考えると、非火山性温泉の化石海水型がベースかと思われます。
実際、「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の温泉の匂いには、ヨードチンキのような匂いだけではなく、かすかにモール臭が感じられました。
モール臭とは、太古の地層に含まれた木や葉っぱなどの匂いが温泉に染みついたものです。さらに熟成されると石油になることもあります。
つまり、「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の温泉は太古の海が源ということになります。
この成分にヨウ化カリウムは含まれているのでしょうか。
含まれているからこそ、「含ヨウ素泉」になったのだとは思いますが。
「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の謎に今後もせまってみたいと思います。
8,「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の基本情報
・名前:新富温泉健康センター「サン・ルピナス」
・英語表記:sintomionsenkenkoucenter sun-lupinasu
・郵便番号:889-1402
・住所:宮崎県児湯郡新富町三納代1859−1
・電話番号:0983-33-1000
・休館日:第3月曜日(祝祭日の場合は翌日)
・営業時間:10:00~22:00
・入浴料:※2019年8月現在
大人(高校性以上)500円
小中学生300円
70歳以上300円
小学生未満無料
・備え付けの備品:
洗面器
椅子
石鹸
シャンプー
ボディソープ
ロッカー
脱衣棚
ドライヤー
・その他:
タオル200円
カミソリ50円
・お風呂情報:
内湯2(水風呂・段差のある内湯・ぬるめの湯が区切られており、他に奥に1つ内湯があります)
露天風呂
サウナ(男女各1づつ)
・駐車場:あり
・その他お役立ち情報:別府八湯温泉道の対象施設ですので、訪問するとスタンプがもらえます。
・公式サイト:http://sun-lupinus.info/
・温泉情報:源泉かけ流し
9,「新富温泉健康センターサン・ルピナス」までの交通アクセス
(1)車
・宮崎空港・宮崎市方面より約40分
・延岡市方面から約90分
(2)電車
JR線「日向新富」駅より徒歩10分弱。
▶参考情報:駅にコインロッカーがありませんので、なるべく大きい荷物を持たない移動がおすすめです。「新富温泉健康センターサン・ルピナス」内にロッカーや脱衣棚がありますが、ロッカーにはキャリーバックなど大きなものは入りませんのでご注意ください。
10,「日本の秘湯」ゆ~ナビ編集部コメント
今回は、宮崎県にある温泉施設「新富温泉健康センターサン・ルピナス」についてご紹介させていただきました。
九州地方は7つの県があります。
それだけの広さがあるのに、「含ヨウ素泉」が宮崎県にしかないというのは本当に不思議です。
地面の中にヨウ素成分があるのなら、九州の他県にもあっておかしくないのですが、なぜか宮崎県にしかありません。もっとも、「含ヨウ素泉」自体が珍しい泉質ですから仕方ありませんね。
実際の所、いろいろな温泉に入浴していますが、「新富温泉健康センターサン・ルピナス」の「含ヨウ素泉」は本当にインパクトがありました。
文章ではなかなかお伝えすることができませんが、あの匂いの衝撃は1度訪問してみる価値があるのではないでしょうか。
実際の所、そこに住んでいて毎日入れる人って、なんだか良いですよね。もっとも、住んでいる人からすれば、あたり前過ぎて気づいていないということもありますが。(笑)
もし近くに温泉がある人は、そこがどんな温泉なのか興味を持ってみるのもよいのではないでしょうか。
あまり知られていない名湯は、案外すぐ側に湧いているかもしれませんよ。
記事作成日:2019年08月23日
記事作成者:「日本の秘湯」ゆーナビ編集部 温泉シニアマイスター 小井 明日香