九州地方で異国情緒が漂う県と言えば長崎県を思い浮かべる方が多いですが、陶器というとお隣の佐賀県だという人も多いです。
有田焼や伊万里焼といった焼き物は、全国的にも名前が知られています。
しかし、長崎県にも陶器の町と呼ばれる場所があります。その町は「波佐見町」といい、陶器の窯元や陶芸品店が立ち並び、興味がある人は思わず立ち寄ってしまいたくなること間違いなしです。陶器自体は、日常で気軽に使用できるものが多く、リーズナブルな値段で購入も可能です。
そんな陶器の町にも、実は温泉が湧き出ているのですがご存知でしょうか?
それが今回ご紹介する、はさみ温泉「湯治楼」です。
「はさみ温泉 湯治楼」がある波佐見町は、どちらかと言えば温泉地というよりは陶器の町という表現が妥当です。
その陶器の町に湧く温泉とは、いったいどんなものなのでしょうか?気になりませんか?入浴感が違う3つの温泉とは?・・・筆者の私は気になって仕方ありません。笑
そこで実際に、はさみ温泉「湯治楼」に訪れてみましたので、「湯治楼」の施設情報や温泉情報はもちろん、温泉マニア必見の謎や、お食事も楽しめる至れり尽くせりの魅力について、たっぷりご紹介していきます。
今度の温泉は、陶芸体験の帰りがけに寄ってみたくなるかもしれませんよ。
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▼【公式サイト情報】はさみ温泉「湯治楼」のご紹介にあたって、以下の公式サイトもご覧下さい。
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この記事の目次
1,はさみ温泉「湯治楼」ってどんな所にあるの?
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最初に、はさみ温泉「湯治楼」ってどんな所にあるのか?についてご紹介していきます。
長崎県と佐賀県の県境に近い場所に、陶器の町「波佐見」があります。
「波佐見」の町自体は陶器の町という趣がありますが、川棚川を渡ったあたりからのどかな光景になってきます。
その川棚川のすぐ側にあるのが「湯治楼」で、広い駐車場と森の中に行くかのような玄関と中庭があります。中庭にはイタリアンのレストラン「陶農レストラン 清旬の郷」があり、ピザを焼いている石窯や出来立てのピザをカットしている職人さんの姿を見ることもできます。
温泉の方の建物は、奥の方にひっそりとたたずんでいるように見えますが、中に入るとスーパー銭湯の趣があり日帰り入浴の受付をする場所などがあります。
脱衣所はきちんと整頓されており、洗面台などもきれいです。
準備を整えたらいよいよ温泉とのご対面です。
それでは次の段落で、「湯治楼」の温泉入浴レポートをご紹介していきます。
2,はさみ温泉「湯治楼」の温泉入浴レポート
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次に、はさみ温泉「湯治楼」の温泉に入浴した感想についてご紹介していきます。
はさみ温泉「湯治楼」には3種類の湯船があります。
こちらは男女同数で、配置等の違いはあるものの泉質そのものは変わりません。
入口近くにはガランもあり、シャンプーとリンスとボディソープが無料で使用できます。3つの湯船以外にはサウナと水風呂がありますので、じっくり汗をかきたい時にはおすすめです。
温泉を使用している湯船は、それぞれ入浴感が違っていましたので、以下で順番に見ていきましょう。
(1)内湯
まず最初に「内湯」のご紹介です。
内湯は大きめの湯船で、高濃度炭酸泉と普通の場所で区切られていました。
かけ湯の段階で、トロッとする感触はありましたが、入浴するとやや塩素消毒をしている匂いとお湯を吸い込んでいる場所がありましたので、半循環方式を行っているのではないかと感じました。
内湯の高濃度炭酸泉は、温泉成分分析書で確認してみましたが、人工的に炭酸を含有しています。
「湯治楼」の高濃度炭酸泉は、一般的に言う炭酸泉のようにしばらく入浴していると体が中から温まってくるのを感じられました。
(2)露天風呂
次に「露天風呂」のご紹介です。
露天は、岩風呂の露天風呂で、日本庭園風の趣があります。
湯船の中の温泉は、こちらも半循環ではないかという感触がありました。しかし、内湯にも言えることですが、半循環の雰囲気はあるものの湧き出る源泉を投入していることもあり、ほぼ源泉掛け流しの場合と変わらない入浴感でした。
なお、お風呂の写真については、公式サイトでもたくさんご紹介されていますので、参考にご覧下さい。
▶参考情報:公式サイトのお風呂の写真はこちら
3,温泉の謎について
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次に、はさみ温泉「湯治楼」の温泉に入浴して感じた謎についてご紹介していきます。
温泉が湧き出すためにはいろいろな条件が必要になってきます。
あたり前のようにそこにあると思う方も多いですが、謎を通じて温泉について少しでも理解を深めていただけたら幸いです。
はさみ温泉「湯治楼」がある波佐見温泉は、佐賀県との県境に近い場所にあります。
近くには川も流れており、川沿いの温泉地もいくつかあります。良く知られているものでは、佐賀県の「嬉野温泉」などもそうです。川沿いの温泉地の場合、その川が地下水からの起源であることもあり、湧いている温泉の源泉温度が低かったり、アルカリ性の「炭酸水素塩泉」系のトロトロ湯が多かったりします。
それは、火山起源ではなく地下の地熱で温められることが多いからということも理由の1つになります。
火山起源の場合、中性の「塩化物泉」が温泉の起源になるため、アルカリ性の炭酸水素泉系ができるためには、地獄と呼ばれる蒸気や温泉が勢いよく噴き出す場所も必要になります。
佐賀県と波佐見温泉の温泉は、地熱によるものだと思われますが、そうなるとその大元の温泉はどこで地熱によって温められたのか、それとも元々熱かった温泉が地下水でぬるくなったのかという謎が出てきます。
実際のところはわかりませんが、同じ温度が低い温泉でも2つの可能性を検討できるのってなんとなく面白くなってきませんか。
面白いと思うのはマニアだけかもしれませんが、「湯治楼」の温泉成分分析書を見て感じた謎でした。
4,はさみ温泉「湯治楼」の泉質情報
こちらでは、はさみ温泉「湯治楼」の2つの泉質情報をご紹介いたします。
(1)波佐見温泉新泉源
●源泉名:波佐見温泉新泉源
●泉質特徴:ナトリウムー炭酸水素塩泉(低張性・弱アルカリ性・温泉)
●温度:37.6℃(気温7.9℃)
●ph値:7.7
●湯出量:255リットル/分
●効能:
神経痛・関節痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・打ち身・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進など
▶参考:飲用/慢性消化器病・糖尿病・痛風・肝臓病
●禁忌症:
・急性疾患(特に熱のある場合)・活動性の結核・悪性腫瘍・重い心臓病・呼吸不全・腎不全・出血性疾患・高度の貧血・その他一般に病勢進行中の疾患・妊娠中(特に初期と末期)
(2)波佐見センター新泉源
●源泉名:波佐見センター新泉源
●泉質特徴:ナトリウムー炭酸水素塩泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)
●温度:22.0℃(気温26.6℃)
●ph値:8.4
●湯出量:87リットル/分
●効能:
神経痛・関節痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・打ち身・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進
▶参考:飲用/慢性消化器病・糖尿病・痛風・肝臓病
●禁忌症:
・急性疾患(特に熱のある場合)・活動性の結核・悪性腫瘍・重い心臓病・呼吸不全・腎不全・出血性疾患・高度の貧血・その他一般に病勢進行中の疾患・妊娠中(特に初期と末期)
(3)泉質の特徴
どこの湯船にどの源泉を使用しているのかよくわかりませんでしたが、露天風呂と内湯の温泉が微妙に違っており高濃度炭酸泉が人口のものなのかどうかわからないくらい温泉感がありました。基本的にどの温泉もトロッとした肌触りがありました。
5,はさみ温泉「湯治楼」の評判・口コミ情報
それでは気になる、はさみ温泉「湯治楼」の評判や口コミ情報をご紹介いたします。
温泉はもちろんですが、関連施設にお食事が楽しめるレストランなどがありますが、実際に訪問した皆様はどんな感想をお持ちになったのでしょうか。
皆様の評判・口コミを集めてみました。
ピザが美味いから行くとミツナガのマスターに教えてもらった波佐見の湯治楼に。炭酸泉の温泉入った後、ピザが本当に美味しかった!ビール呑めないのが… 場所: 波佐見温泉 湯治楼 https://t.co/cbcyr7oII2
— 隈本 (@t__kuma) October 14, 2019
九州温泉道の旅
2巡目
波佐見温泉
湯治楼 pic.twitter.com/iwKBrkExI7— トム (@tomtom_1122) March 18, 2018
波佐見温泉湯治楼のイルミネーションは毎年綺麗 pic.twitter.com/WD9YRyTxfs
— じーこま (@WaveBeautiful) November 25, 2014
折角長崎まで来たので、八十八湯の一つ、波佐見温泉・はさみ温泉湯治楼にも行きました。炭酸水素塩泉でぬるっとした感じ。良いお湯でした。 pic.twitter.com/7Xkatmt1Pl
— まつまるたかひこ (@Doratimus_Prime) January 17, 2018
波佐見温泉湯治楼、最高のお湯!ぬるぬる!お肌すべすべ!
館内はこじんまりしてるけどおしゃれで趣がありますー
とにかくお湯が素晴らしかったので、絶対にまた来る。#波佐見温泉 #湯治楼 pic.twitter.com/S4vfdo6cc1— でざいん姉さん|さのさつき (@sacco69) January 8, 2017
「湯治楼」の魅力は、露天風呂と内湯と高濃度炭酸泉ではないでしょうか。
高濃度炭酸泉は、静かに入浴しないと炭酸が抜けてしまいますので、注意が必要ですがじっくりと入浴するには気持ちがよいです。
また、露天風呂や内風呂のトロッとした泉質も良いですね。
6,はさみ温泉「湯治楼」の基本情報
名前:はさみ温泉「湯治楼」
英語表記:hasamionsen yujiro
郵便番号:859-3725
住所:長崎県東彼杵群波佐見町長野郷558-3
電話番号:0956-76-9008
休館日:不定休
営業時間:9:30~22:30(最終受付21:30)
日帰り入浴料:※2019年11月現在
・大人(中学生以上)平日 700円/土日祝日 750円
・小人(小学生)平日 400円/土日祝日 450円
・幼児(3歳以上)平日 300円/土日祝日350円
備え付けの備品:シャンプー・リンス・ボディソープ・洗面器・バスチェアー
その他の備品:レストラン・休憩室・素泊まり宿・マッサージ処
お風呂情報:内風呂・露天風呂・高濃度炭酸風呂・水風呂・サウナ(男女各1づつ)
公式サイト:http://minami-denen.jp/spa
駐車場:あり150台
その他お役立ち情報:
・訪問する回数が多い方は10枚つづりや20枚つづりの回数券があります。
(10枚つづりは6,500円・20枚つづりは11,000円です。※2019年11月現在)
7,はさみ温泉「湯治楼」までの交通アクセス情報
郵便番号:859-3725
住所:長崎県東彼杵群波佐見町長野郷558-3
電話番号:0956-76-9008
(1)バス
JR大村線「川棚」駅近くの川棚バスセンターより西肥バス東峠行きに乗車し、「波佐見温泉センター前」下車、後徒歩約1分
(2)車
西九州自動車道「波佐見有田」ICから県道4号線を経由し一般道を川棚方面へ進み、7kmほど走ると「湯治楼」に到着
▶参考情報:公式サイトの情報も参考にご覧下さい。
8,【関連情報1】おすすめレストランのご案内
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ここでは関連情報として、はさみ温泉「湯治楼」のあるミナミ田園の同じ敷地内の「おすすめレストラン」をご紹介していきます。
はさみ温泉「湯治楼」と同じ敷地内にあるレストランは、前述しましたが「陶農レストラン 清旬の郷」という名前です。
石窯で焼いたピッツアはテイクアウトすることも可能です。ナポリピッツアというピッツアで、もちもちとした触感で人気です。
「陶農レストラン 清旬の郷」の特徴として、ご飯はかまどで炊いており、波佐見で穫れた地産地消の食材を使用しています。ワインが好きな方はワインを飲むこともでき、日本の原風景を感じさせてくれる内装で、イタリア風の料理を堪能できます。あわせて、波佐見地方は陶器の町ですので、使用している食器は波佐見焼という、陶器好きにはたまらない楽しみ方もあります。
▶参考情報:「陶農レストラン 清旬の郷」の他にも、軽く軽食ですませたいという方は、以下がオススメです。
同じ敷地内には「リトルハニー」という試飲もできるコーヒーショップと、「chacopan」という天然酵母のパン屋さんもあり、気軽にコーヒーを片手にパンを食べるということも可能です。
「湯治楼」の湧き出る温泉につかり、食事を堪能しつつのんびりするという極上の時間を過ごしてみるのも良いのではないでしょうか。
次は、同じくミナミ田園の同じ敷地内にある宿泊情報についてもご紹介しておきます。
9,【関連情報2】宿泊施設のご案内(おすすめ予約プラン情報あり)
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さらに関連情報として、はさみ温泉「湯治楼」のあるミナミ田園の同じ敷地内の「宿泊施設」もご紹介しておきます。
はさみ温泉「湯治楼」の周辺には、「ホテルブリスヴィラ波佐見」と40年以上の歴史を持つ旅館の「長生苑」があります。
「ホテルブリスヴィラ波佐見」に宿泊すると「湯治楼」に入浴できる入浴券が付いてきます。
ビジネスホテルの雰囲気ですので、出張や気軽な旅行の際に利用してみてはいかがでしょうか。
「長生苑」は、温泉もある老舗旅館です。
温泉地ならではの旅館ですので、のんびりとした時間を過ごせます。
温泉の泉質が「湯治楼」とどう違うのか楽しみむというマニアックな宿泊をするのも良いのではないでしょうか。
ホテルや旅館が苦手だという人は、「湯治楼」の前に素泊まりできる宿もあります。
一般家庭のような雰囲気がある宿で、「1泊4000円〜」で宿泊できます。
陶器に温泉にと見所満載の波佐見温泉ですので、宿泊しつつ温泉を堪能してみてはいかがでしょうか。
【予約方法】「ホテルブリスヴィラ波佐見」のお得な宿泊プランのご案内
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10,「日本の秘湯」ゆ~ナビ編集部コメント
今回の記事では、はさみ温泉「湯治楼」についてご紹介させていただきました。
実は佐賀県と長崎県の県境に近い場所の温泉は、温度がぬるめだという源泉も多いです。それは、この場所でゆっくりぬるい温泉に浸かってのんびりしてくださいという事だという人もいます。
実際、はさみ温泉周辺は、陶器関連の雰囲気一色でちょっと生活感があるなと思う場所から、突然のどかな場所へと変貌します。オンとオフを切り替えるように川がながれていますので、川を渡ればスイッチが切り替わるといった感じです。
もし仕事や勉強で疲れがたまっているなという事があれば、長崎県に湧くはさみ温泉「湯治楼」を訪問してみませんか。
美味しいピッツアでお腹を満たして、3種類の湯船でのんびりとした時間を過ごすのも悪くないですよ。
今回の記事が、忙しい日常のちょっとした休憩日のキッカケになれば幸いです。
記事作成日:2019年11月13日
記事作成者:「日本の秘湯」ゆーナビ編集部