九州地方に大分県という県があるのは、皆さんご存知だと思います。
椎茸やかぼすなどの特産品があり、関アジや関サバと言った美味しい魚が捕れる場所でもあります。
特に温泉が有名で、「別府温泉郷」や「由布院温泉」と言った名前は、こちら「日本の秘湯」でも目にしたことがあるのではないでしょうか。そんな大分県ですが、おんせん県の別名があり個性豊かな温泉地が他にもあります。
「長湯温泉」という名前を聞いたことがありませんか?
この「長湯温泉」も、大分県の温泉地の1つです。
二酸化炭素泉という日本でも珍しい泉質で有名な場所なのですが、この「長湯温泉」のシンボルとも言うべき温泉施設があります。
その温泉施設が、今回ご紹介する「温泉療養文化館 御前湯」です。
「道の駅 ながゆ温泉」からも近く、そのたたずまいは日本と言うよりはヨーロッパの雰囲気すらあります。
それでは、国民保養温泉地に選定された「長湯温泉」にある「温泉療養文化館 御前湯」について、これからたっぷりとご紹介させていただきます。
体の中と外から健康に効果がある温泉とは?
「長湯温泉」はドイツと関連があった?
施設情報や周辺情報はもちろん。温泉マニア向けの謎まで、たっぷりとご紹介させていただきます。
それでは、見て行きましょう。
▼【関連情報】「温泉療養文化館 御前湯」のご紹介にあたって、以下の公式サイトもご覧下さい。
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この記事の目次
1,「温泉療養文化館 御前湯」ってどんな所?
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出典:instagram/黒ネコにゃんこ(@tomo.s0629)さん
最初に、「温泉療養文化館 御前湯」ってどんな所にあるのか?についてご紹介していきます。
「長湯温泉」は、川沿いにあります。
有名な温泉施設としては、「ラムネ温泉館」や「ガニ湯」などがあります。
車で行く場合は別として、バスで行く場合には「道の駅 ながゆ温泉」があるバス停で降りる方が多いです。
ここから川の方向へ歩いて行った場所にあるのが「温泉療養文化館 御前湯」です。
そのたたずまいは、日本風と言うよりは、ヨーロッパの雰囲気があります。
入口の玄関前には飲泉場があり、温泉が流れています。
写真は、「温泉療養文化館 御前湯」の飲泉場の様子。
鉄の香りがある温泉ですが、熱くなくしかも軽いシュワッと感がありますので、コップ1杯くらいであれば飲むこともできます。
独特の後味がありますが、体に良さそうな味です。(個人の感想です)
玄関を入ったら、温泉入浴券を購入し受付へ渡します。
浴室は3階と1階にあり、奇数日は男性が3階で女性が1階です。偶数日はその逆です。
館内には、お茶や水が飲める無料の休憩室や軽食ができる喫茶室などもあります。また、医務室では看護師や保健師が待機しており、健康相談や温泉の入浴方法などを指導してくれます。
マッサージルームには、温泉施設によくあるマッサージ機があり、体の疲れを癒やしてくれます。
さらに脱衣所には、無料のロッカーもありますのでセキュリティはバッチリです。
館内にもいろいろな場所があるみたいだけど、温泉施設だからやっぱり温泉だよね。
はい。その通りです。
次は「温泉療養文化館 御前湯」の入浴レポートです。
2,「温泉療養文化館 御前湯」の温泉入浴レポート
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次に、「温泉療養文化館 御前湯」に入浴した感想についてご紹介していきます。
脱衣所から浴室に入ると、まず目につくのが六角形の湯船です。
湯船には、長湯温泉を思わせるにごり湯がかけ流されています。
かけ湯をすると、アチチではありませんが温まりそうな気持ちの良い温度を感じます。湯船に浸かると独特の重さがあり、ゼリーに包まれているような錯覚を覚えます。
実は、こちらの源泉近くにもコップがあり、飲泉できるようになっています。味は玄関にあるものと変わりませんが、湯船に浸かってから飲むせいか相乗効果があるように感じます。
六角形の湯船の隣には、冷泉風呂がありこちらはぬるさを通り越して冷たさを感じますが、じっくり入浴しているとポカポカとしてきます。
露天風呂は、コンクリートで作られたのかと思うくらい析出物がこびりついており、元の湯船の材質は木ですが違うもののようにも見えてきます。
露天風呂から冷泉風呂に入り、六角形の湯船という流れで入浴していくと、次第に体が温まり老廃物が汗と一緒に排出されているような感じになります。
湯船に浸かっているときには、基本的にべたっとした感覚とマグネシウムのピリピリ感がありますが、上がってしばらくするとサッパリ感に変わります。
本当に重さがあるものの「温泉療養文化館 御前湯」の温泉は、サッパリ感もある面白い泉質なんですよ。
ところで、「温泉療養文化館 御前湯」っていつの時代くらいからあったんだろう?
「長湯温泉」自体も結構な歴史がありそうだし。
次は、「温泉療養文化館 御前湯」の歴史についてです。
3,歴史について
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出典:instagram/信明 西川(@mij1956)さん
次に、「温泉療養文化館 御前湯」の歴史についても少しご紹介していきます。
「長湯温泉」は、かつて「湯原温泉」という名前だったそうです。その歴史は古く、8世紀の半ばには「湯原温泉」の名前が出ていたとか。
歴史を紐解くと、「長湯温泉」が湯治場として整備されたのは宝永3年(1706年)に温泉を取り込んだ御茶屋が建設されたのが始まりだそうです。
では、「御前湯」はいつできたのでしょうか?
安永10年(1781年)に、御前湯の始まりでもある「新湯」が作られました。その後、「長湯温泉」を世に広く広めようとした人物が現れ、ドイツ建築の洋館でもある「共同浴場(公衆浴場)」を完成させました。
しかし、戦争によりその方々の努力は水の泡となってしまいます。
その後町づくり事業により、平成10年に「長湯温泉」のシンボルである「温泉療養文化館 御前湯」が完成しました。
昔から「長湯温泉」の泉質については、いろいろな研究がなされていまして、紆余曲折あったものの現在に至っています。
その中でも、ドイツに炭酸泉活用を学んだと言うこともあり、「長湯温泉」の建物はドイツやヨーロッパの雰囲気があるものが多いんですね。
現在では、国民保養温泉地に認定されている「長湯温泉」の中の「温泉療養文化館 御前湯」ですが、すごい温泉だということは昔から言われていたんですね。
では、実際にどんな温泉なのでしょうか。
実は入浴してみて思ったのですが、結構な謎があるです。
次はそんなマニア向けの内容です。
4,「温泉療養文化館 御前湯」の謎
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出典:instagram/looktakamura(@looktakamura)さん
次に、「温泉療養文化館 御前湯」に入浴して感じた謎についてご紹介していきます。
温泉があるところには謎があります。
特に「温泉療養文化館 御前湯」の温泉は、本当に謎が多い泉質なんです。
ここからはマニア向けのコーナーになります。
夜眠れない時に読んでみるのもいいかもしれません。
「温泉療養文化館 御前湯」には、3本の源泉があると言われています。熱い物と冷たいものと混ぜた物と考えるのが一般的です。実際、湯船もそのように分かれています。
「温泉療養文化館 御前湯」に限らず、「長湯温泉」は非火山性温泉であるとされています。
特に炭酸が含まれていますので、大元をたどれば貝殻なのだそうです。長い年月のうちに、地中の貝殻が炭酸泉になったのだそうです。
しかし、「長湯温泉」の付近には海らしきものがありません。その貝殻は、一体どこからきたのでしょうか。貝殻があるような海だった場合、当然海水ですから可能性としては「塩化物泉」になると考えられます。
しかし、実際は「炭酸水素塩泉」です。
塩はどの段階で消えたのでしょうか。も
しかすると、古代人の中に、貝殻を集めて食べていた部族でもいたのでしょうか。捨てた貝殻に地下水が混ざり、長い年月が経って炭酸泉になったという考え方があってもおかしくないのではないでしょうか。
実際に入浴してみると、海水っぽい雰囲気がないわけではありませんが、飲んでみても塩辛さは感じません。
一体、どんなシステムで現在の炭酸泉ができあがったのでしょうか。
「温泉療養文化館 御前湯」と「長湯温泉」の謎です。
▶参考情報:非火山性温泉とは?
地面は地下に掘り進めるほど温度が上がるのはご存知ですか?例えば地殻変動などで、地下水や海水が地面の中に埋もれてしまった後、じっくりと年月をかけて地熱で温められるとどうなるかと言えば、非火山性温泉になるんです。基本的に塩化物泉か炭酸水素塩泉になるんですが、それだけじゃないという不思議もあります。
5,泉質紹介
●源泉名:長湯温泉療養文化館 御前湯
●泉質特徴:マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉
(低張性中性高温泉)
●温度:46.8℃(気温20.5℃)
●ph値:7.5
●湯出量:毎分4479リットル
●効能:
・浴用/神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・打ち身・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進
・飲用/慢性消化器病・糖尿病・痛風・肝臓病
●その他、お役立ち情報:
・飲泉すると鉄の味と炭酸の感覚があります。しばらくすると、胃腸の具合が活発になるのを感じます。
・入浴感はにごり具合からもわかりますが、結構な重さがあります。湯船に浸かると、カルシウムが体にまとわりついてくると同時に、マグネシウムのピリピリ感もあります。湯船から出た瞬間は、べたっとしていますが少し経つとサラッとした感触に変わります。
6,「温泉療養文化館 御前湯」の評判・口コミ
長湯温泉のシンボルでもある「温泉療養文化館 御前湯」ですが、実際に入浴した皆様は、どのような感想をお持ちになったのでしょうか。
それでは気になる、「温泉療養文化館 御前湯」の評判や口コミ情報をご紹介いたします。
「温泉療養文化館 御前湯」の訪問を検討されている方も、興味があるだけの方も、まずは体験された方の評判を聞いてみませんか。
実家・大分に帰ってきて早速温泉へ♨️湯布院、別府がメジャーだけど、長湯も最高!ここはその長湯温泉の御前湯。源泉掛け流しはもちろん、御前湯には3本の源泉があり、全ての湯口から出る温泉の飲泉もできます。車でしか行けないけれどツウな方はぜひ長湯温泉まで^^#温泉 #大分 #長湯温泉 pic.twitter.com/B8hjeDGstF
— 麻生潤(SYNCHRONICITY) (@junaso) 2018年12月28日
長湯温泉御前湯。ココは建物の中も外も味のあるハイカラな感じでスバラシイので、おふろ上がったら撮りまくろう! と思ったら、何故かすまほさんが立ち上がらなくなってこの1枚のみ。イイお湯でござった。 pic.twitter.com/7n8tUrzPO1
— なぼちん (@makao_raoko) 2018年12月28日
炭酸泉の長湯温泉、御前湯
休憩室でダラダラ…
お茶お水無料、お昼は近隣から出前も注文可! pic.twitter.com/8AbZk0OaTw— てぃちあーな (@mtznm) 2018年9月22日
長湯温泉で日帰り入浴してきた「御前湯」。面白い外観の建物。
緑褐色のお湯は炭酸とミネラルを豊富に含んだ含土類-重曹泉で、湯船には析出物がびっしり。川に面した露天風呂はぬる目でずっと入っていたくなるような気持ち良さでした。
休憩室にテラスがあって川を眺めながら涼めるのもいい pic.twitter.com/b6RBhSl8tH
— ロプロス (@ropross) 2018年9月12日
大分長湯温泉♨御前湯♪入口に飲泉場のあるドイツ風建築の市営温泉館だ🎵40℃程の炭酸泉に露天風呂もありTV付サウナもあり水風呂はぬるめの炭酸泉だ😆炭酸泉の多いドイツの古いバス🛀も展示😃休憩処やマッサージにおみやげ物📦もある❕無料ロッカーもあるが10円無返却ロッカーが有り貴重品に便利😊 pic.twitter.com/bABzggZcP1
— Big Town (@miuragogo) 2018年3月14日
そうなんです。
「温泉療養文化館 御前湯」は、まさしく「これぞ長湯温泉!」と言ってしまいたくなるくらい、重厚感のある温泉なんです。
成分総量もかなりのもので、入浴するとゼリーのような感覚を覚えてしまうこともあるんです。さらに飲泉できるというのも嬉しいですね。体の中と外から健康に効果があるなんて、なんかいいですよね。
建物もハイカラで訪問の価値ありです。
まずは、旅行計画の1つに入れてみませんか?
7,「温泉療養文化館 御前湯」の基本情報
・名前:「温泉療養文化館 御前湯」
・英語表記:onsenryoubunkakan gozenyu
・郵便番号:878-0402
・住所:大分県竹田市直入町長湯7962-1
・電話番号:0974-64-1400
・休館日:毎月3水曜日
・営業時間:6:00~21:00(最終受付20:00)
・入浴料:※2020年1月現在
大人500円
小学生200円
6歳未満無料
・貸し切り家族風呂:※2020年1月現在
1回50分2000円
・備え付けの備品:
シャンプー
ボディソープ
ヘアドライヤー
・その他の備品:※2020年1月現在
タオル(150円)
貸しバスタオル(100円)
歯ブラシ(50円)
カミソリ(50円)
洗顔フォーム(320円)
メイク落とし(320円)
女性化粧品(120円)
男性化粧品(350円)
ヘヤーキャップ(50円)
ヘヤーブラシ(100円)
ヘヤーバンド(50円)
ナイロンタオル(350円)
ショーツ(300円)
トランクス(500円)
・お風呂情報:
大浴場・冷泉(男女各1づつ内湯)・露天風呂(男女各1)1階と3階で男女日替わり
貸し切り家族風呂:露天風呂1・和式2・洋式1
・温泉情報:源泉掛け流し
・公式サイト:http://www.gozenyu.com/
・駐車場:あり(大型バス3台・乗用車60台・身障者用2台)
・お役立ち情報:10個集めると1回無料になるスタンプカードや、お得な回数券があります。「道の駅長湯温泉」や「温泉療養文化館 御前湯」で販売されている「奥豊後温泉文化伝(200円)」を購入すると、200円の割引券がついています。「奥豊後温泉文化伝(200円)」はスタンプラリーになっており、対象施設をすべて巡ると「奥豊後温泉郷マイスター」に認定され、バスタオルと認定証がもらえます。
8,「温泉療養文化館 御前湯」までのアクセス情報
(1)車
・大分自動車道「由布院IC」より「湯平温泉」経由で「長湯温泉 御前湯」へ
(2)電車とバス
・JR豊肥本線「豊後竹田」駅下車 後、「長湯方面行き」のバスに乗車し、「道の駅ながゆ(道の駅長湯温泉)」にて下車。
(3)バス
・JR日豊本線「大分駅」より「長湯温泉」行きのバスに乗車し、 「道の駅ながゆ(道の駅長湯温泉)」にて下車。
9,「日本の秘湯」ゆ~ナビ編集部コメント
炭酸成分が入った入浴剤には、体を温める効果があります。同じように、炭酸泉は泡つきがあろうとなかろうと体を温める効果があります。
まだ、温泉のことをあまり知らない頃、炭酸泉だという温泉に行ったことがあります。泡がつかない温泉があり、炭酸泉なのになんでと腹を立てたのは良い思い出です。
「温泉療養文化館 御前湯」に行った時には、それなりに温泉知識を勉強していましたので、炭酸によるポカポカ効果を実感することができました。
しかし、雪が降っている時に炭酸泉の露天風呂に入浴して、体が温まるかと聞かれると正直わかりません。雪の中では、温まりの湯と呼ばれる塩化物泉ですら体が凍えてしまった経験があります。
一度、「長湯温泉」の炭酸泉で挑戦してみようかと考えていますが、いまだに雪の日に行ったことはありません。(笑)
そいうわけで、今回は「温泉療養文化館 御前湯」についてご紹介させていただきました。「温泉療養文化館 御前湯」と「長湯温泉」の魅力について、少しでもお伝えできれば幸いです。
少しでも大分県や「長湯温泉」に興味がありましたら、是非ご旅行先の候補に入れてみて下さいね。
今回の記事で、炭酸泉と「温泉療養文化館 御前湯」に興味を持っていただけたら本当に嬉しいです。
記事作成日:2020年02月04日
記事作成者:「日本の秘湯」ゆーナビ編集部 温泉シニアマイスター 小井 明日香